犬猫にとっての毒物はそれだけで教科書1冊になるので我々も全てを記憶しているわけではありません。
問診に基づき、怪しい毒薬物はその危険性を調査します。
今回はそれらとは別に見落としがちな誤飲誤食やその心得を紹介します。
1.「吐いた」という飼い主からの稟告
「吐いた」事は事実だと思いますが、全て吐いたとは限りません。
中毒性の高い物を食べた場合は全て吐ききったかの確認を強く推奨します。
2.何を食べたかわかる場合はパッケージを持参する。
主成分が必ずしも毒性を示すとは限りません。
内容がわかる物の持参をお願いします。
一例をあげます。
例:QPコーワゴールドの主成分は漢方薬、ビタミン剤ですが、
カフェイン
が含まれています。大量摂取した場合カフェイン中毒を引き起こします。
1錠に50mgの無水カフェインが含有されていると、2錠分が体重1kgの犬の急性致死量に相当します。
3.シャンプー???
シャンプー中にずっと口を開けていて大量の水道水を飲水していると
水中毒
を起こすかもしれません。様子がおかしい場合は必ず受診しましょう。
キシリトール
中毒量は0.1g/kg ガム1個につき0.3~1.3gのキシリトールが含有されているので
3kg以下の子はガム1個でもダメです。大量のインスリンが放出され低血糖並びに肝臓に障害をきたします。
チョコレート
板チョコ一枚(50g:ミルクチョコレート)をおよそ3.5kg以下の子が一枚食べると中毒量となります。ダークチョコレートだとその1/4量で中毒量となります。
ねぎ中毒
食べた量ではなく、感受性に個体差があります。症状の出る子は少量でも例え大型犬でも貧血(溶血)の症状を示します。ねぎ食べたが全く症状を示さない子も散見されます。柴犬等の一部に遺伝的にネギに感受性の高い子がいる事が知られています。