ワンちゃんの避妊手術について

2015年04月13日

どんな手術?

ご予約いただいた日の午前中に来院いただきます。お水とご飯を抜くことを忘れないようお気をつけください。なお、ご予定等で当日の朝に来院するのが難しい場合は、前日からのお預かりも可能です。

午前の診察が終わり次第、準備が整いましたら始めます。
麻酔導入後、心電図、SpO2、EtCO2、血圧、体温をモニタリングします。
おなか側を広範囲に毛を刈り、消毒をしっかりと施してから手術を開始します。

腹部を正中切開し、卵巣・子宮の状態を確認したあとレーザー等で止血処置しながら卵巣を両側とも摘出します(レーザーによる不妊手術(去勢・避妊手術))。
もしも子宮に異常が認められた場合は、子宮も摘出します(卵巣摘出術と卵巣子宮摘出術の選択について)。

術後は点滴を続けながら、麻酔からの覚醒・回復の状態を観察します。しばらく様子をみて退院可能と判断したら、その日の夕方退院という流れになります。

避妊手術の適切な時期

メスのワンちゃんの避妊手術は、からだがある程度成長し、かつ、初回の発情がくる前に手術することをお勧めしています。そのため、生後6カ月齢くらいでの実施を推奨しています。

子犬のうちに避妊手術することを推奨する大きな目的

望まない繁殖をさせないという目的ももちろんあります。
そしてもうひとつ、大事な目的として、将来起こりうる重篤な病気を未然に防ぐという、ワンちゃんの健康と寿命にかかわるものがあるのです。

初回の発情前に避妊手術を実施すると、乳腺腫瘍の発生率が大きく減少することが分かっています。
ワンちゃんの乳腺腫瘍は悪性と良性の発生はほぼ半々であるといわれていますので、乳腺腫瘍の発生を未然に抑えることは、元気で長生きするために重要な意味があるのです。

そのほかにも子宮蓄膿症という、急激に体調が悪化して発見が遅れると数日で死亡することもある病気ですが、これも避妊手術を受けていない中~高齢のワンちゃんがかかることがあり、手術をしていれば防げる病気です。

高齢になると体力の低下や病気などによって手術に対する負担も大きくなりますし、若く元気なうちに手術することで、麻酔覚醒や術後の回復が早い、精神的トラウマが少ないなどのメリットもあります。

上記のことから、生後6カ月齢あたりでの手術が、ワンちゃんの身体的・精神的負担が最も小さく、手術効果も高いベストな時期であると考えられます。
ただし、大型犬など股関節の形成不全等を考慮する必要がある場合には、生後1歳ほどでの手術が推奨されることもあります。

 

避妊手術のメリット・デメリット

メリット

・望まない交配による妊娠を避けることができます
お散歩時や脱走時などに、ほかのワンちゃんとの接触で望まれない妊娠をすることを防ぎます。

・性ホルモンに関連した現象を抑制します
発情時にみられる外陰部からの発情出血がなくなります。

・生殖器疾患および性ホルモンに関連した疾患を予防します
子宮蓄膿症、乳腺腫瘍、卵巣腫瘍、子宮・膣腫瘍(平滑筋腫)、膣脱、偽妊娠などを予防します。また、糖尿病の発症率を減少させる効果があるといわれています。

デメリット

・手術後に繁殖させたくなっても不可能です
卵巣を外科的に切除しますので、切除後はもとに戻すことはできません。したがって、繁殖は不可能となります。

・太りやすくなります
食欲が増加する場合がありますので、摂食量を適正に保ち、適度な運動を心がけましょう。
体重が増えすぎると別の病気のリスクが高くなりますので、体重管理を意識してください。

外部リンク:犬の体重管理と適正体重の維持の秘訣- ロイヤルカナン – ロイヤルカナン (royalcanin.com)

・麻酔のリスクがあります
全身麻酔をかけますのでリスクは0%ではありません。手術の前に検査を受けることをお勧めしています。
術前検査として、薬の代謝機能・止血機能を確認する血液検査や、横隔膜ヘルニアなどの胸部の確認のためのレントゲン検査等をご提案しております。