ネコちゃんの排尿トラブルその1(特発性膀胱炎)

2022年01月04日

ネコちゃんの排尿トラブルはよくご相談いただきます。

何度もトイレに行く(排尿困難、頻尿)、尿の色が赤い(血尿)、トイレではないところで排尿するようになったなどの症状が見られたときは、なるべく早めに動物病院に受診することをお勧めします。
尿石症などで尿道閉塞が起きた場合は急性腎不全となり尿毒症の症状が見られます。食欲不振や嘔吐を起こし、ひどくなると衰弱状態となりますので、放置していると命にかかわる事態になります。
少しでもおかしいなと感じたら検査・診断をして初期にケアすることがとても大切です。

こうしたネコちゃんの排尿トラブルの原因には、尿石症や尿路感染症、問題行動や神経性疾患などがありますが、これらの原因が当てはまらないネコちゃんの膀胱炎は特発性膀胱炎と呼ばれています。

ネコちゃんの特発性膀胱炎の要因

特発性膀胱炎を発症する原因として、そのネコちゃん自身がストレスに弱い、痛みを感じやすい、膀胱粘膜のバリアが弱いなど、刺激に敏感な体質であることがまず理由のひとつです。そしてそこになんらかの要因からストレスを強く感じたときに発症すると考えられています。

なにをストレスとして感じるかはネコちゃんによって異なりますが、よくある例としては、工事の騒音、台風・雷・地震などの災害、お家の引っ越し、同居動物や家族との別れ、新しい動物や家族の同居、家具の配置換え、トイレ環境などが挙げられます。

ストレスの原因はひとつとは限りませんし、治ってもまたすぐに再発することもよくあります。

特発性膀胱炎の治療について

主な治療としては次のものが挙げられます。これらすべてを使うわけではなくネコちゃんの状態や再発性などを考慮しながら選択します。ちなみに抗菌薬やステロイドなどの薬は、ネコちゃんの特発性膀胱炎には効果が期待できないといわれています。

・薬(抗不安薬・鎮痛剤)
・処方食(特発性膀胱炎対象のもの)
・サプリメント(膀胱粘膜修復/保護成分、尿pH調整)

再発を防ぐために、飼い主さんにお家で取り組んでいただきたいことは次の2点です。
・ストレスを管理(環境改善)する
・飲水量を増やす

ストレスはいったいどこから? まずはトイレからはじめましょう

上記のとおり、ネコちゃんのストレス源はひとつとは限りません。音や振動、未知のものへの恐怖、怪我や病気の痛みもあれば、お気に入りの場所で寛げなくなったなどのちょっとした変化が原因かもしれません。ネコちゃんによっていろいろあると思いますので、思い当たるものがあればひとつずつ改善してあげましょう。

とくに、毎日使うであろうトイレはストレスの原因となりやすいです。
まずはトイレ周囲の環境から見直してあげるとよいかもしれません。

★一般的に推奨されているネコちゃんのトイレ
・数は頭数+1(ネコちゃんが2頭ならトイレ3個)
・形は基本的にカバーがないタイプ(カバーがあるほうを好むネコちゃんもいます)
・サイズは大きめのもの(ネコちゃんの体の長さ(頭からお尻まで)×1.5が目安)
・トイレ砂は無香料、固まるタイプ、重めのものを、トイレの底から5~8cmほどの厚さを敷く

★設置場所
○ネコちゃんが入りやすい場所
○人通りが少ない場所
○静かな場所
×食器の近くは避ける
×1カ所にトイレを複数設置することは避ける

★トイレのお手入れ
・清掃は毎日、できれば排便排尿したらすぐに取ってあげましょう
・トイレ砂は1~2週間ごとに全交換しましょう
・トイレの洗浄は最低でも月1回は実施しましょう

★トイレを新調するときは
新しいトイレを使うときは、古いトイレもしばらく隣に置いて併用しましょう。
数日様子をみて新しいトイレを使ってくれるようなら、古いトイレは処分して新しいトイレを頭数+1個で設置しましょう。

お水を飲むことも大事

再発を防ぐには、お水を飲む量も重要です。
飲水量が少ないと尿が濃くなってしまい、濃い尿は膀胱粘膜を刺激します。それによって膀胱部に痛みが生じて、膀胱炎の悪化を招きます。
ウェットフードに切り替えてみたり、ドライフードをふやかしたりしてフードの水分量を増やすというのもひとつの方法です。また、水飲み器をいろいろな場所に複数設置したり、流水型水飲み器を試してみるなど、ネコちゃんが水を飲む機会を増やして飲水量が増えるようにする工夫も有効です。

 

写真でみる特発性膀胱炎(猫)