動物の高齢化に伴い近年、発症する患者さんが増えています。
症状の特徴としては急性、非進行性、片側性の症状を示す脳神経症状が典型的な所見と言えます。
この病気に有効な治療法はありません、予防する病気です。
症状が重篤だとそれまで全く問題のなかった子と、ある日、突然お別れが来てしまうかもしれません。
そのお別れは発症リスクを知っていれば食事か薬かサプリメントで予防できていたかもしれません。
大型犬が片側麻痺になると自宅での介護は過酷です、命は助かっても飼育しきれず安楽死になる事もあります。
高度医療センターから小さな病院へ戻った時、想定した以上に多いと感じたのがこの病気です。
生き残った神経が機能を代償し回復したように見える可能性はあります。
が、虚血によって壊死/軟化した神経が元に戻ることはありません。発症後は看護/リハビリと再発予防が大切です。
発症リスクのある病気として
蛋白漏出性疾患(腎症/腸症)、高血圧、脂質異常症、内分泌疾患(副腎皮質機能亢進症、甲状腺機能低下症)、心疾患、凝固障害、歯周病、敗血症
等が考えれます。
脳卒中(脳出血、脳梗塞)は生前の診断が困難なため、病態解明が正確に行われているわけではありません。血栓症リスクの確立した早期発見方法もありません。治療効果をみるためのモニターとなる指標もまだはっきりしていません。ですが、軽傷例の再発/重篤化の予防や健康診断によって高リスク患者の洗い出し等の成果が出始めています。