簡単に言うと
解剖学的整復:骨を元の形に治すこと
生物学的整復:骨折が治癒する環境を整え、癒合を促進させる事
生物学的整復=患者に優しい等という事はありません。
私は基本に忠実でありたいので、可能な限り解剖学的整復を優先します。
その方が回復は早く、合併症も少ないからです。
骨折した場所や状況(飼育環境) を考慮し選択します。
骨の形はまっすぐではなく、それぞれ少しずつ曲がっています。
その曲がっている事には意味があります。
なるべく元の形に治さないとその負荷は関節に生じ
数年後、跛行という症状で現れる事があります。
犬の橈尺骨骨折も一見、まっすぐな骨に見えますが、
緩やかにカーブしています。その緩やかなカーブ、大事なんです。
オーナーの事情、意向は優先しますが、
それだけには流されず、基本に忠実に、
患者に最善の策をこれからも
提案していきたいと思います。