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犬、猫の外耳炎治療のコツついて 5つの要因を理解しよう

犬ならびに猫の外耳炎は、関与する5つの要因を理解して治療にあたる必要があります。

1:PSPP分類を理解

Primary(主因):アレルギー、異物、ミミダニ、脂漏症、内分泌疾患、腫瘤etc

慢性外耳炎の7割以上がアトピー性皮膚炎に関連しているとされています。

「アトピー」と診断された場合、初期治療のみで完治する可能性は低いため、

再発する事も考慮した長期管理が必要となります。

2:Secondary causes(副因):酵母様真菌、細菌増殖、不適切な治療洗浄

耳垢検査で頻繁に遭遇する、ブドウ球菌やマラセチアの異常増殖は主因ではありません、

抗生物質や抗真菌薬を多用しても痒みや不快感が治らないのは主因を管理できてないからかもしれません。

3.Perpetuating factors(増悪因子) :耳垢過多etc

2とも被りますが、「痒い、痒くない」の判断だけでなく、耳垢の適切な管理は必要です。水平耳道や鼓膜がしっかり観察される耳鏡を用いての観察は長期管理をする上で大切です。

4.Predisposing factors(素因):高温多湿な環境、先天的耳道狭窄

主にハウスダストが関連する外耳炎は夏場にひどくなる傾向がありますし、花粉の場合は時期が限定されます。食事が関与している場合、季節はあまり関係ないかもしれません。耳道が狭い子は自宅での管理が難しいため、定期的な来院をお願いしています。

5:投薬コンプライアンスの問題

外耳炎の管理に苦慮してる場合
診断が違う場合、薬があっていない場合もあると思いますが、

投薬コンプライアンス
の問題が生じていないか?確認する事も大切です。
決められた量や頻度を適切に実施できているか
そもそも投薬可能なのか確認する必要があります。

自宅での点耳が難しい場合
長期作用型(1週間持続型、または、1か月持続型)の
点耳薬も検討する必要があります。

1か月持続型の点耳薬

 

*例外

外来で鼓膜の手前に腫瘤を認めた猫さん

鼻咽頭ポリープの可能性も否定できないため

軟性内視鏡を用いて後鼻腔も観察しましたが何もなし。

硬性耳鏡を用いた鏡視下手術で腫瘤を切除

このケースは一度の処置で治る事が多いです。

 

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