最近、ネコちゃんが以前よりも遊ばなくなったと感じることはありませんか?
「歳をとったからかな」と思いがちですが、もしかしたらネコちゃんは「なんだか足が痛いな」「体を動かしにくいな」と感じているかもしれません。
高齢ネコちゃんの変形性関節症
変形性関節症(Osteoarthritis:OA)という進行性の関節疾患は、高齢のネコちゃんの60~90%が罹患しているといわれています。
無症状の場合も多いですが、ネコちゃんは体の不調を隠すのが得意ですので痛みがもしあったとしても、変化はわずかにしか見られないかもしれません。
そのためこの疾患は初期での発見・診断はむずかしいとされています。
飼い主さんからみて普段のお家でのネコちゃんの様子がなんとなく活発じゃなくなったように感じていても、健康診断ではとくに異常が見当たらなかったなどのケースでは、もしかしたら変形性関節症が隠れているかもしれません。
変形性関節症で見られる症状としては
以前に比べて
・活発に動かなくなった
・ジャンプをしなくなった
・階段や段差を上がりたがらなくなった
・座ったり伏せたりするときに、ためらうようになった
・歩き方が変わった
・排泄時に腰をおとさなくなった
・筋肉量が減少した
などが挙げられます。
変形性関節症(軽度)の管理
痛みが重度の場合は鎮痛剤による痛みのコントロールや外科手術が適応の場合もありますが、症状がほとんどない軽度の状態やなんとなく不活発になったかなと感じるレベルであれば、グルコサミン/コンドロイチン硫酸やオメガ3脂肪酸、緑イ貝(モエギイ貝)などの関節系サプリメントを試すことをお勧めします。
これらのサプリメントは即効性はあまり期待できませんが、猫ちゃんの変形性関節症による症状を緩和するケースもあることが報告されていますので、1~2カ月間ほど継続使用してみて効果があるかどうか様子を観察してみてください。
そのほか、適切な運動管理と体重管理も大事なポイントです。状態によっては理学療法、消炎鎮痛剤などが適応になるケースもあります。
飼い主さんとネコちゃんがずっと幸せに過ごせますように
この病気は、進行をできるだけ防ぎ、痛みを発現させないようにしてあげることが大切です。
歳をとってもネコちゃんと飼い主さんが生涯元気いっぱい遊んで過ごせるように、早期から対策していきましょう。