猫アクネ（ざ瘡）とは

ネコちゃんのアゴに黒色もしくは茶色い小さなポツポツがみられることがあります。これは「猫アクネ」もしくは「ざ瘡（ざそう）」と呼ばれる猫のニキビです。

軽度のものだと黒色や茶色のポツポツができる程度ですが、ひどい場合には下顎を中心にかゆみ・炎症を生じます。

原因としては、皮膚にある脂腺の分布、細菌感染、性ホルモンの乱れ、ストレスなどが関与していると考えられていますが、原因をはっきりと特定することは今のところできません。再発を繰り返すネコちゃんもいます。

ちなみに人間のニキビとは違いますので人間用のニキビ薬は絶対に使用しないでください。

猫アクネの特徴的な所見と治療

かゆそうな様子もなく黒いポツポツがついている程度であれば、食後の汚れを拭いてあげるなどのケアをお家でしてあげましょう。

軽度であれば病院での治療はとくに必要ありません。

ただし、細菌などによる二次感染が起きると、炎症がすすんでかゆみが発生し、出血したり皮膚が赤くなってはれてきたりします。このような状態は治療が必要になりますので、早めに動物病院に受診しましょう。

お家での対策とケア

・食器を変更してみる
プラスチックやステンレス製のお皿で接触性皮膚炎を起こすことがあります。陶器のお皿に変更してみましょう。

・食器をこまめによく洗う
食器についている細菌によって炎症が引き起こされる場合があります。使用したお皿はこまめに洗ってあげましょう。

・食後に口の周りをふいてあげる
嫌がらないようであれば、食後に優しくふいてあげましょう。

ただし、刺激が強い消毒液などを使うとかえって悪化してしまうので、お家でのケアは低刺激のもの（ぬるま湯などで少し濡らしたガーゼや、赤ちゃんのおしりふきなどの低刺激タイプのウェットティッシュなど）で軽くふく程度にしてください。少し濡らしたタオルを電子レンジで人肌程度に温めてからやさしくふくと喜んでくれるネコちゃんもいます。

強い力でゴシゴシふくと皮膚を傷めて悪化します。また、嫌がるようであればストレスになってしまうので無理にするのは避けてください。

病院での治療

重度（出血している、はれている、皮膚が赤くなっているなど）のときは一度毛を刈ってからきれいに洗浄するケースもあります。

また、細菌や寄生虫などの感染が疑われる場合は感染症の検査、腫れているときは細胞の検査を実施することもあります。

洗浄液による患部の洗浄や抗菌剤のお薬やクリームなどによるケアをしていきます。